神社参拝時の一般的な作法についてのマメ知識12「お守り・お札・絵馬」
2011/12/03
神社で販売されている(ご祈祷されている)品の事を「授与品」と呼び、
購入することを「受ける」と呼ぶそうです。
様々なご利益で有名な神社への参拝の折には、その記念やお守りに、と、
そういった授与品を受けられる、また、絵馬の奉納・・・という方も多いと
思います。
ちなみに、授与品の数の数え方は、1体、2体(たい)と数えるそうです。
という事で。
これらに関わる特別な作法というものはありませんが、チョッと知っていると
良さそうな事、という感じでメモしておきます。
■「お守り」
日本は古来より多神教の文化を持ち、神社でも様々な神様がお祀りされています。
また、その神様によって、ご利益(御神徳)も様々です。
その神々様を信じる人々にとって、そのパワーのこもった「お守り」を
身に付けることで、神様を身近に感じ、また、お守り頂いていると考えるのは
世界ほぼ共通の精神文化だとも言えます。
ただ、単純な考え方をするなら、信じる御神徳が多いと、お守りの数も増える
ことになってしまいます(笑)。
多種のお守りを持つ事って、一体、どうなんでしょうか?
この事について、神社本庁のHPより一部抜粋してみます。
「大丈夫です。
八百万神という言葉があるように、日本には多くの神さまがいらっしゃいます。
神様は、それぞれの御神徳をもって、協力して私たちを守ってくださるのです。」
・・・という事で、ま、持てる数に制限は無さそうですが。
確かに、神様同士がケンカ・・・という事もないでしょうケド、神界で協力
(繋がっている)神々様だからこそ、ご縁のあると思える神社のお守りを、
せいぜい一つか二つ・・・という感じでしょうか。
※単純に心情としては、「ご利益を求めるあまり、欲深くならないように」とは
思います。
どのくらいの期間お守りを持っているか、といのはその人それぞれだと
思いますが、大体は一年で神社にお返しするのが一般的なようです。
(こちらも、おみくじ同様に、どちらの神社にお返ししても差し支えありません。)
もちろん、何かの願掛けの場合は、願いが叶うまで持っていても問題ありません。
■「お札」
お札も、一年ごとに新しいお札をお祀りします。
家内をお守りいただくお札ですが、本来は丁重に神棚にお祀りするのが理想では
あるものの、神棚の設置が難しい環境の方も多数いらっしゃる事と思います。
そういった場合は、自分の目線より高い位置、例えばタンスや棚等の上にお祀り
するのが一般的です。
ただ、神棚が有る無しに関わらず、お札を置いた場所は聖域であるという事を忘れず、
清掃・清潔・清浄を心がけるようにしましょう。
お札は縁起物の単なる飾りではなく、神様の御神徳が込められているのですから、
そのつもりで、日々、お札(神様)へ接するという事です。
ですので可能であれば、一緒にお塩やお水をお供えしても良いでしょう。
お札を向ける方角については、北から南に向けるという説もありますが、
そのお札をお受けした神社にお伺いするのが一番確実ではないかと思います。
また、複数のお札をお祀りする場合ですが、こちらもお守り同様、数に制限はなく、
並べても重ねても大丈夫なようです。
※紙札の場合も上記同様のお祀りの仕方で良いのですが、紙札は柱や壁に
貼り付ける方も多いと思います。
その場合は、必ず裏面に糊や両面テープを用いて貼り付けるようにして下さい。
間違っても紙札を画鋲や釘で「刺す」ような事は、絶対にしないで下さいネ。
■「絵馬」
願い事を木の板に書いて奉納する絵馬の習慣ですが、もともとは本物の馬を
奉納していたようです。
これは「馬は神様の乗り物」という古来からの考えによるものでしたが、
平安時期より、馬や馬具、武具の絵を代用するという風潮になっていったようです。
実物大の絵馬も多く奉納されていたようですが、近年では私たちの知る絵馬が
主流になり、神社によっては個性的な絵馬も多く存在して、人々の願いが
込められた絵馬殿・奉納所の景観は、圧巻・・・とも言えます。
奉納された絵馬の願い事は、誰にでも読める状態の場合も多く、他人様の
願い事を読むのが楽しい方もいらっしゃるようですが、これは、常識的に考えて、
あまり愉快な行為ではありません。
たまたま目に入ってしまう場合は仕方ありませんが、できるだけ他人様の願い事に
意識を向けないことが、マナーだと言えます。
ましては、友達や恋人同士で他人様の絵馬を、読んで笑って騒いで・・・
という行為は、もちろん非常識です。
自分が絵馬を奉納する際は、心静かにお願い事を書き、もし、スペースの関係上
他人様の絵馬の上に重ねる場合は、「上にお邪魔します」くらいの心持ちで、
お納めしましょう。
※自分同様に、他人様も同じく「想い」を持って絵馬を奉納されているのですから、
その場にいなくとも、それぞれの絵馬には想いがこもっているのです。
例えば、乗り物や会場などで、後から来て席をつめて貰ったりする時、
隣近所かまわず無言でかき分けるのと、「すみません、ありがとう」の
一言があるのでは、大違いだと思いませんか?
それと同じような感じですね(笑)。
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