神社参拝時の一般的な作法についてのマメ知識7「拝殿での作法2」
2011/11/28
神社の拝殿でお参りする際、様々な人がそれぞれのなおまいりの仕方をしているのを
見かけると、自分が作法を知らない場合、どれが正しい作法か迷ってしまいます。
パンパンと手早く拍手〔かしわで〕を打ち、手を合唱して俯いて祈願する人、
じっと拝殿(本殿)奥を見つめて集中しているような人、
何度も深くお辞儀をしているような人、
ただただ手を合わせている人・・・。
基本的に、何度もお話しているように一番大切なのは上っ面の所作ではなく
「心根」です。
とは言え、一応、公に参拝の作法というものは存在し、その所作(動作)の
一つ一つにも意味がありますので、その意味を知り、作法としての所作を
行うのが最も日本人としての礼儀にかなう事だとは思います。
ですので今回は、拝殿での一般的な作法についてメモしておこうと思います。
■「拝殿での作法、所作の意味を知る。」
拝殿でのお参りの際の所作については、神社により違いがあります。
まず、一般的な参拝作法を神社本庁HPより転載します。
鈴を鳴らした後(前回参照)は、下記のような所作を行います。
1.まず、神前に進み姿勢をただします。
2.背中を平らにし、腰を90度に折り、拝をします。
この時の拝は2回行います。
3.胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらします。
4.肩幅程度に両手を開き、2回打ちます。
5.指先を揃えます。最後にもう1回拝をします。
神社本庁のHPの動画も参照ください。
次に出雲大社の参拝の作法です。
1.神前に真っ直ぐに立って心を静かに進み、姿勢を正します。
2.背中は平らに腰を90度に折って拝を二回繰り返す。
3.胸の前で手のひらを合わせ右手を少し下にずらす。
両手を肩幅ぐらいに開いて四度手を打つ。
4.手を打ち終わったら右手を元に戻し、指先を揃え、祈る。
5.最後に2と同様の拝を一回行い、静かに神前を離れる。
一般的な作法と出雲大社の相違は、3.の「4拍手」で、他は同じです。
※「拝」とは、お辞儀(頭を下げる)の事で、感謝や敬意を表す行為で、
敬虔な気持ちを表わす作法です。
一般に、挨拶で頭を下げるのは一回が普通だと思いますが、
「敬神(神を敬う)」という意味と想いを込めて、敬意を表する作法として
「二拝」となります。
また柏手〔かしわで〕を打つとは、その文字の通り、「拍手〔はくしゅ〕」
の意があると言われていて、「優れた行為を称える=神の采配(行為)に
感謝する」という気持ち、感謝の心の現われを表現する作法と言われています。
また、右手をずらすのは、「右手は体・左手は心」を表し、
体を一歩下げる気持ちで神様に対し「敬い(の心)」、その想いを伝える
という作法になります。
最後の一拝は、「再度、今この瞬間からの生活への誓い(祈り)」、
要するに「またこれからも、一生懸命生きますので、何卒宜しくお願いします」
・・・という感じの、締めくくりのご挨拶ですね。
このように、神社の作法は感謝や敬い、謙虚といった「気持ち(想念)」から
成り立っている事が分かると思います。
神社のみならず、実生活の些細な行動・言動において共通する事かと思いますが、
「行う所作・作法は、その意味を知り想いを込めてこそ」その真価(効果)が発生
するのではないかと思います。
関連記事
-
-
枚岡神社〔ひらおかじんじゃ〕略年譜の注釈
実は月初めに、境内で朝市があるようなのですが、未だ参加できていない・・・。 一度 …
-
-
枚岡神社〔ひらおかじんじゃ〕概要1(神津嶽本宮)
近年、山の紅葉が色あせているように感じているのは、私の気のせいでしょうか。 我が …
-
-
神社参拝時の一般的な作法についてのマメ知識13「参拝の帰り道」
例えば神社のお祭り事の時に、参道や境内に立ち並ぶ屋台は、子供のみならず 大人にと …
-
-
神社参拝時の一般的な作法についてのマメ知識2「参拝に向かう前に2」
神社や神前が神聖であるなら、やはり、条件が許す限りの礼節を持って 向き合うことが …
-
-
吉志部神社を調べてみたら。
吉志部神社の境内で友達と遊んだこと、初詣やお祭りの賑わい、あと、裏山(紫金山が) …
-
-
吉志部神社〔きしべじんじゃ〕でよく遊んでました。
神社シリーズ?初回は、やっぱり、ゆかりの深い(私の幼少期に大変お世話になった) …
-
-
神社参拝時の一般的な作法についてのマメ知識3「参拝に向かう前に3」
重大な理由や目的が無くとも、日々、気軽にに神社へ参拝できる、神様が身近、 という …
-
-
神社参拝時の一般的な作法についてのマメ知識9「境内での過ごし方1」
神社にもよりますが、その敷地内には、主祭神をお祀りしている本殿の他に、 摂社や末 …
-
-
枚岡神社〔ひらおかじんじゃ〕御祭神と略年譜
東大阪市にある枚岡神社も、私にとっては縁の深い神社と言えます。 秋祭りには布団太 …
-
-
枚岡神社〔ひらおかじんじゃ〕概要2(本殿と奉納)
今更ながら「本当に敷地が広なぁ~」・・・と、感心しつつ。 時の権力者であった中臣 …